Abusan’s Journey

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1年半使ったROG Phone 2をレビュー「ミリシタイベランが快適にできるゲーミングスマホ」

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私のゲーム用(ミリシタ用)スマホはLG Nexus5Xから始まり、Huawei P20、Samsung Galaxy S9+、ASUS ROG Phone 2、そして今はASUS ROG Phone 5になりました。
ROG Phone 2は1月22日の深夜2時ごろに衝動買いしました。当時はミリシタ用としてS9+を使っていましたが、安全性やバッテリー持ちを優先したのか、それともSDM845をうまく使えていないのかわかりませんがミリシタプレイ時のタップ抜けが酷かったため、S9+でイベントを走ることはできないと判断しました。
私にとって初のゲーミングスマホとなったROG2ですが、5月末でROG5にゲーム用メインの座を譲りました。約1年半で周年イベを含めミリシタのイベントをいくつか走りましたが、実際に本気で使ってみてどうなのかをレビューします。

なぜ今更ROG2のレビューをするのか

ROG3、ROG5とROGブランドから新しいゲーミングスマホが登場しSoCも2世代前となったROG2を今更レビューしてどうするのかと思われるかもしれませんが、ROG2はまだまだゲーミングスマホとして使える性能を持っています。
ベンチマークスコアでは855+は888と比較すると残念に見えますが、ミリシタ39人ライブを60fpsで動作させるのに全く問題ありません。メモリも12GBとROG5無印と変わりません。ストレージも512GBあるのでSDカードが非対応でも十分です。ROG3にはイヤホンジャックがありませんがROG2にはあります。ROG5は確かにトップクラスの性能ですがROG2と比べると発熱が大きく。そしてROG2の中古は5万円前半から狙えます。そう考えるとROG2を今選ぶという選択肢もアリだと思います。

基本性能

ROG2はミリシタで13人ライブなら60fps以上、39人ライブでほぼ60fpsを維持できる性能を持っています。さらに39人ライブでプレイしてもALL PERFECTが可能です。
これはタッチ操作に対する正確性と高い負荷がかかり続けた際の安定性が高いということになります。ゲーミング以外のスマホでは熱やバッテリー保護で性能を落とすため処理落ち、タップ抜けが起こります。ROG2はそれらと無縁でプレイすることができます。

実際にMVを再生して温度とバッテリーを見てみました。
ROG2の機能で左上に情報を表示しています。

13人ライブ

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MV開始時点で29℃、バッテリー80%
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MV終了時点で30℃、バッテリー80%

39人ライブ

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MV開始時点で29℃、バッテリー80%%
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MV終了時点で34℃、バッテリー79%

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39人ライブでAP可能です

ミリシタなどのリズムゲームAndroidでプレイする際によく言われる問題にタッチの反応がずれるというものがあります。
これは物理的に指が画面にタッチしてからAndroidのシステムに情報が伝わり、それがゲームに届いて画面に反映されたり音が鳴ったりするまでにラグがあったり負荷によってラグが変わることで起きます。ROG2はそんな問題とは無縁です。
ROG2のタッチサンプリングレートは240Hzです。これは1秒間に240回のタッチ検出を行っているということでして、約4ミリ秒ごとにタッチに反応できるということになります。つまり物理的にタッチが発生してからタッチしたよとシステムに伝えられるまでのラグが最大4ミリ秒に抑えられているということになります。240HzはiPhone 12シリーズの2倍になります。
さらにROG2はAndroidのシステムに手を加え、タッチしたという情報が優先的に扱われるようになっています。これによりタッチしたという情報がゲームに届くまでのラグを最小限に抑え、高い負荷が掛かっていてもラグが変化することを防いでいるんです。実際にミリシタをプレイしてもタッチの反応ずれは一切ありませんでした。タップ音も正確にタッチとほぼ同時と思えるくらい正確に鳴ります。
カタログ値ではタッチしてから画面が反応するまで最短49ミリ秒とされています。そんなスマホのレスポンスが悪いわけがなくゲームだけでなくブラウジングなどの操作であってもどこまでも快適です。

イベラン

イベランは数時間連続してプレイすることになるため通常のプレイよりもさらに高い安定性を求められます。ゲーミングスマホが普通のハイエンドスマホと違うのはここです。ゲーミングスマホは長時間プレイしても性能を維持し続けることができます。ハイエンドスマホ(特にキャリアで販売されているもの)は故障をできる限り防ぐため無茶な使い方はできないように性能を落とすようになっています。
熱やバッテリー保護による性能の低下は死活問題です。ROG2はSDM855+の性能を継続して引き出せるので長時間のイベランでも問題ありません。
実際にミリシタ3周年イベント『CHALLENGE FOR GLOW-RY D@YS!!!』をROG2で走りました。千早679位、歌織さん952位、合計1,434,042ptを獲得しました。イベント曲プレイ回数は428回となりオートライブがあっても手動プレイ回数は300回ほどになりました。周年イベント2週間の間でROG2の性能に不満を感じたことは一切ありませんでした。
3周年の前後、アライブファクターとオペラセリアもROG2で走ってPR称号を獲得しています。アライブファクターは486,691ptを獲得し915位、オペラセリアは616,932ptを獲得し256位でした。周年イベと合わせるとイベント楽曲を900回以上プレイしていますがタップ抜けや処理落ちは全くありませんでした。

バッテリーと充電

もう一つ大事なのはバッテリーです。特に周年イベントでアイドル別100位、通常イベントで100位を狙うのであればバッテリーがどれだけ持つのかが重要です。充電中はバッテリー保護のため性能を意図的に下げることが多く、イベラン効率の低下につながることがあります。
ROG2のバッテリーはスペック上で6,000mAhの容量(Xperia 1 IIIの約1.3倍)がありミリシタイベランで8時間ほど持ちます。PRを狙うのであれば十分だと言えます。

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充電中でもプレイすることはできますが端末温度が上昇するため故障する可能性が高くなります。ROG2などのゲーミングスマホは性能維持を優先するので、冷却性能が高いとしても必要以上に負荷をかけることは避けたいです。ミリシタであれば2Dオートライブを活用することで充電中でもイベランを止めずに負荷を抑えることができます。
また、ROGブランドのゲーミングスマホにはArmoury Crateという機能があり、ゲームプレイ時の挙動をゲームごとに細かく設定することができます。本来は処理落ちを防いで快適にプレイするための機能ですが、あえて性能を落とすような設定をすることでバッテリー消費を抑えることができます。ミリシタはROG2のGPUに対して80%以上の使用率を叩きだすので通常プレイで性能を下げることは非推奨です。しかし、オートライブで走る場合は性能を下げても問題ないためイベランでは非常に有効な手段です。

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通常プレイ時の設定
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2Dオートライブで走る時は性能を落とす

それでもいつかバッテリーは0%になり充電が必要です。ROG2はQuick Charge 4.0とUSB PDに対応し付属の充電器で30W充電が可能です。付属の充電器を使った急速充電であれば1時間で20%から100%で充電できイベラン時のロスを最小限に抑えることができます。
もちろんバッテリー劣化を防ぐための低速充電機能もあります。設定した開始終了時刻に合わせて充電させることでバッテリー寿命を延ばすことができます。

プレイ感覚

横持ち親指プレイ

ROG2は普通のスマホと違って縦に長く、薄型が主流の時代にしては分厚く、上下にはベゼルもあります。そのおかげで横持ちした際にホールドしやすく、上下のベゼルは画面を指で隠しにくくするのに役立ちます。少し画面が大きいので越境するようなノーツはスマホ本体を傾けて指を伸ばすなどの工夫が必要ですが、親指プレイは総じて快適です。
ROG2にはUSB Type-Cポートがスマホの左側と下側に1つずつ、合計2つあります。これにより横持ち状態で充電ケーブルを下から挿せるため邪魔になりません。付属のAeroActive Cooler IIを使用すれば3.5㎜端子も挿すことができるようになります。

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横にイヤホンを挿すと邪魔になる

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AeroActive Cooler IIを装着するとイヤホンジャックを下に挿すことができる

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色のついていない左側がUSB Type-Cなのでそのままでも充電やデータ転送は可能

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AeroActive Cooler II

置きプレイ

置いた状態でプレイする場合は滑り止めシートを用意すると快適です。
カメラ部分に僅かな段差があるものの基本的にフラットなのでそのままでも大丈夫ですが、付属のケースを装着することをおすすめします。ROG2は冷却性能向上のために冷却に使用しているヒートシンクを一部露出させています。付属ケースを装着して置きプレイすると露出部分を塞がないため冷却性能の低下を抑えられます。

その他

デザイン

見た目はゲーミングスマホらしいかっこいいデザインです。背面でROGのロゴが光りますがArmoury Crateからオフにすることが可能です。
大きなベゼルや分厚さでスタイリッシュとは縁がない見た目です。全てはゲーミングのためなので諦めましょう。

携帯性

持ち運ぶには少し困ります。縦の長さが170mmもあるため収納ポーチの選択肢はほぼありません。LサイズがSサイズに思える大きさです。
重さも240gあるためポケットで持ち運ぶのもちょっと辛いところがあります。全てはゲーミングのためなので諦めましょう。

画面表示

ゲーム以外でもリフレッシュレートを60Hz、90Hz、120Hzから選べます。120Hzは非常になめらかで見やすくおすすめですがバッテリー消費が多くなります。
大きな画面はスマホというよりもタブレットのような雰囲気もあり見やすいです。
ミリシタはアプリ側とROG2側の制限が掛かっているため60Hz以外のリフレッシュレートを選択しても60Hzもしくは60fps固定となります。ただ、PCのゲーミングモニターはFPSに関わらずリフレッシュレートを上げたほうが応答速度が速まるので、より快適なプレイを求めるのなら60fpsであっても120Hzにする理由はあるかもしれません。

カメラ

4800万画素と1200万画素広角でスペックは十分ですがソフトウェアが貧弱かなと思います。ホワイトバランスが赤くなりがちで、そのまま撮ると暖かい色味が強いと感じます。プロモードで少しホワイトバランスを青方向にすると自然な色合いになります。

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スピーカー

スマホのスピーカーとしてはかなりいい感じに鳴ります。ただあくまでもスマホのスピーカーです。
Youtubeニコニコ生放送の配信を見るくらいなら十分すぎるくらいの音質です。

その他の機能

ROG2は映像出力が可能です。Type-CとHDMIやDPを変換するケーブル or アダプターが必要です。映像を出力しているときは音声の出力先を「内蔵スピーカー」「イヤホンジャック」「映像出力」のいずれかで選択できます。

注意点

Android 11にはアップデートされない

ROG2はAndroid 10までしかアップデートが配信されていません。執筆時点でのセキュリティパッチは2021年5月5日となっています。今後もアップデートが配信され続けるかどうかは不明です。
セキュリティに注意して使う必要があると言えます。

TPR狙うならROG5のほうがいい

もしTPRを狙うのであればROG5をおすすめします。CPU以外にストレージやメモリが強化されているため全体的なイベラン速度に差が出てきます。
特にROG5のバイパス充電機能は4周年イベで強い味方でした。

他のハイエンドスマホよりも温度が高くなりやすい

ROG2に限らずゲーミングスマホは熱くなりやすいスマホです。
普通のスマホは安全面やバッテリーの寿命を考えて温度が上がるとすぐに性能を落としたりスマホ自体を使用できないようにします。ゲーミングスマホは高い負荷をかけられることが前提なので普通のスマホよりも高い熱に耐えて性能を出すように設計されています。
あまり無茶をするとSoCの物理的破損などが起こる可能性があります。もちろん高温になることを前提として壊れにくいようになっていたり、負荷が低くなった時にできる限り冷やすように設計されています。
ドコモ版Galaxy S9+やSIMフリーHuawei P20が温度上昇で警告を出してアプリを強制終了するような状況でもゲーミングスマホは動作します。ROG2を車載カーナビやツイキャス車載配信に使用していましたが、真夏の直射日光と映像配信による負荷により本体表面の温度はかなりのものになっていました。普段使いをするのであれば省電力モードなどを活用することをおすすめします。

防水ではない

ハイエンドスマホは防塵防滴防水が当たり前ですけどROG2はいわゆるIPなんちゃらの防水ではありません。
ちょっと水がかかったくらいなら大丈夫との情報もありますが、冷却用のヒートシンクが外に露出してたりするので水濡れは厳禁だと考えておいたほうがいいでしょう。

総評

発売から2年が経とうとしていますが、ミリシタくらいの負荷であればROG Phone 2は十分選択肢になるゲーミングスマホです。ミリシタがスマホに与える負荷が今後1年くらいは大きく変わることがないと思われるので、少なくとも5周年イベまではアイドル別1000位を戦える性能です。
ROG2の中古は5万~8万後半くらいで入手可能です。最新のゲーム(原神など)をガッツリやり込むとかモバイルFPSをガチプレイするのでなければ、10万円以下で手に入るROG Phone 2を選ぶのもありなのではないでしょうか。